マイ・ライフ、マイ・ファミリー [DVD]/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
¥1,533
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THE SAVAGES
2007年アメリカ映画 20世紀フォックス カラー 115分
監督 タマラ・ジェンキンス
出演 ローラ・リニー フィリップ・シーモア・ホフマン フィリップ・ボスコ
ニューヨークに住んで契約社員をしながら、作家を目指すウェンディ・サヴェージ(ローラ・リニー)の元に、突然電話がかかってくる。アリゾナ州サンシティに住む父親のレニー(フィリップ・ボスコ)が認知症だというのだ。ウェンディは、早速ニューヨークバッファローに住む大学教授の兄のジョン(フィリップ・シーモア・ホフマン)に連絡を取る。レニーの同居人で恋人だったドリスが亡くなり、兄妹はアリゾナまで出かけることになる。レニーはドリスの家で内縁夫婦として同居していたが、相続権がなく、住むところがなくなってしまう。ジョンは、早速自分の家の近くに老人ホームを見つけ、ウェンディは父をニューヨークに連れて帰るが……。
決して親子仲が良かったとは言えない兄妹に、突然訪れた知らせは、父が認知症にかかったというものでした。長い間、連絡を取り合うこともなかった仲。それでも、兄妹は父を訪ねます。そして、自分たちが住むニューヨークに引き取ることになるのです。父親は認知症の症状が進み、ほんの少ししか歩けず、後は車椅子の状態。兄がすぐに施設を見つけ、そこに入り、兄妹は毎日のように訪ねます。兄は、これを仕方ないことと考えていますが、ウェンディは、父を自分たちで見ないことに罪悪感を感じるのです。
施設では、家族と古い映画を観ますが、古すぎてサイレントで、さらには当時の人種差別がしっかり浮彫にされているという皮肉。時には、「チーク・トゥ・チーク」の音楽に合わせて、腕を上げて運動もします。
ウェンディは、もっと良い施設に入れたくて、面接に行きますが、兄のジョンは、それを自分勝手だと切り捨てます。たとえ、美しい緑に囲まれていても、結局行方は同じなのだと。ウェンディは、それからも父親の居室を楽しいものにしようと努力します。
父の面倒を見ることになって、事務的にことを進め、あっさりとしたジョンに対して、罪の意識に苛まれ、父にあれこれ構おうとするウェンディ。しかし、ウェンディが良かれと思ってすることは、すべて空回りしてしまいます。その様子が、決して暗くならずにユーモアも交えて描かれています。
ローラ・リニーとフィリップ・シーモア・ホフマンの実力者同士が、兄妹を演じますが、その演技合戦が見事です。特に、夢を抱えながらも派遣社員で、不倫までして、「中年の危機」を抱えるローラ・リニーのドロドロ感は、どこか身につまされます。
アカデミー賞で、主演女優賞、脚本賞にノミネートされながら日本未公開に終わった作品です。これだけスターが出ていながら、何故なのでしょうね。
地味な作品ではありますが、誰にでも起こるかもしれない出来事。家族の在り方も、人それぞれです。これは、サヴェージ一家に起こった物語ですが、共感できる部分は多数。人は老いていくものなのです。
トレイラーです。
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『マイ・ライフ マイ・ファミリー』
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