エデンの東 [DVD]/ワーナー・ホーム・ビデオ
¥1,543
Amazon.co.jp
エデンの東 [Blu-ray]/ワーナー・ホーム・ビデオ
¥2,571
Amazon.co.jp
EAST OF EDEN
1954年アメリカ映画 WB カラー 115分
監督 エリア・カザン
出演 ジェームズ・ディーン ジュリー・ハリス レイモンド・マッセイ リチャード・ダヴァロス ジョー・ヴァン・フリート バール・アイヴス アルバート・デッカー
1917年、カリフォルニア州サリーナス。農場経営者のアダム・トラスク(レイモンド・マッセイ)には双子の息子がいた。兄のアーロン(リチャード・ダヴァロス)は、真面目な優等生で、恋人のアブラ(ジュリー・ハリス)がいた。弟のキャル(ジェームズ・ディーン)は、アーロンとは正反対の性格で、父親とうまくいっていなかった。キャルは、亡くなった筈の母が生きていると知り、それはモンテレー郊外の酒場を経営しているケイト(ジョー・ヴァン・フリート)ではないかと考える。そして、ケイトに会いに行くが……。
ご存じ、ジェームズ・ディーンの出世作です。いつも猫背で座り、決して素行はよいとは言えず、しかし愛されることを激しく求めるキャル。この役で、ディーンは鮮烈な印象を与え、あまりに早く訪れた死によって、永遠の青春スターと冠されることになったと言っても過言ではないでしょう。
信仰の深い父親。素直で従順な兄。兄のアーロンばかりが父親に愛されます。キャルには、何故自分が愛して貰えないかわからない。わからないから、暴れる。そして、父親に諭される。それは、諭しであって、愛ではないのです。
アダムは、レタスを氷漬けにして、品質を保って列車で運ぶという商売を考え出しましたが、失敗してしまいます。キャルは、ケイトからお金を借りて、ウィル・ハミルトン(アルバート・デッカー)と一緒に豆の商売を始めて、父を喜ばせようと考えますが……。ただ、父親を喜ばせたいその一心で。今考えれば、元手がケイトから借りたお金だなんて、死んでも言えませんよね。そして、その結果は……。
兄のアーロンばかりが愛されることに、キャルは間違いなく嫉妬心を抱いていたでしょう。でも、喧嘩の援軍に出ていくように、兄に対する愛情もありました。でも、キャルが一瞬キレた時に、トラスク家の総てが変わっていくのです……。
アーロンの恋人アブラは、段々淋しげなキャルに心惹かれていきます。彼女の目には、キャルが捨てられた子猫のように見えたのではないでしょうか。ジュリー・ハリスが若くはなかったこともあり、アブラに感じさせるのは、恋人というより、母親、あるいは姉としての愛のような気がします。
「愛されないって辛いことです。この世で一番惨めなことです。愛されないって、心がひねくれてすさんでくるんです」というアブラの言葉は、心に沁みます。
そして、レナード・ローゼンマンのあの音楽が素晴らしい。傑作と言われるのもわかる映画です。
原作者は、ノーベル賞作家のジョン・スタインベック。私の大好きな作家です。この映画は、実は壮大な原作の最後の四分の一にも満たない部分だけを切り取った作品なのです。ですから、最初にこの映画を観た時は、素直に感動しましたが、原作を知ってしまうと、納得しきれないところが多いのも事実です。まず、アダム・トラスクは頭の固いコチコチのクリスチャンだと思われているところ。母ケイトの存在。ケイトがキャルに「あんたは、私に似ているわ」と言いますが、それって……。
ジミー目当てではなく、『エデンの東』全てを楽しみたい方は、81年製作のミニシリーズがありますので、こちらの方がお勧めです。ソフト化か放映してくれたら、の話ですが。
あの音楽が聞こえてくれば、自然にジミーの顔が浮かんでくる。そんな作品に恵まれたジミーは、人生こそ短かったですが、俳優としては幸せ者でしたね。
トレイラーです。
あの名曲をどうぞ。
↧
『エデンの東』
↧