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Channel: 銀幕と緑のピッチとインクの匂い
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男子フィギュア ショートプログラム PART3

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 いよいよ第4グループ。羽生結弦の登場です。パトリック・チャンも、フェルナンデスもいます。元世界チャンピオン、ブライアン・ジュベールもいます!忘れないでください。ブライアン、オリンピックにはとことん縁がないけれど、今度だけは良い演技をして欲しい。29歳。今回エントリーしている選手の中では、プルシェンコに次ぐ年長だそうです。そうですか、あのブライアンが…。プルシェンコ世代、頑張れ!

 羽生君…見ているこっちが心臓バクバクなのに、彼の心臓はどうなっているんだ
 叫び最初に、4回転降りて、後も完璧。ここ、オリンピックですよ。アウェイですよ。凄い19歳なのか、19歳だから出来る怖いもの知らずなのか。彼の唯一の弱点はスタミナだから、フリーも揃えていけるか、でしょう。101.45。ショート史上最高点。もう、脱帽です。何も言えませんわ。

 スペインのハビエル・フェルナンデス。羽生君が作ったこの雰囲気の後では、気の毒な気さえします。4回転は着地したけれど、オーバーターンかな。他にもミスが。100点越えを目の前で見せられるなんて、フェルナンデスには気の毒だったと思います。86.98。第2位です。

 パトリック・チャン。さあ、どう出るか。冒頭4-3を綺麗に決めました。結構ここでミスすることがあったんですが、今日は調子いいですね。鬼門の3Aで着地が乱れましたが、後は大きなミスはなかったようです。さすがの見せ場を作ったけれど、羽生君には届かないだろうな。97.52。ん?

 スウェーデンのアレクサンデル・マヨロフ。旧ソ連生まれでスウェーデン国籍取ったみたいです。曲はコロブチカですって。何だか懐かしい曲です。コサックダンスみたいな要素も入っていて、会場は大喜び。やっぱりロシアっぽい滑りですね。この人、地味だけれど、4回転決めたし、大きなミスはなかったんですよね。83.81。現在5位。観客は大ブーイングですよ。

 フランスのフローラン・アモディオ。フランス一の選手になることを嘱望されているのに、何だか今一つ伸び悩んでいる気がしますよ。前の選手の喧噪のなかで滑るのはきついなあ。4回転が3回転になっちゃうし、3Aが2Aになっちゃうし、その後は良かったし、ステップは魅せるんだけれど、好不調の波が相変わらず激しいのが気になります。ジュベールが辞めたら、どうするんだ?75.58。7位です。

 このグループの最終滑走になります。フランスのブライアン・ジュベール。私の愛しのブライアン。4回転ー3回転!!決まりました。アクセルも、ルッツも決まって、ノーミス(ほぼね)!!満面の笑顔で終わりました。氷上で走っているぞシーンも健在。こんなに生き生きしたブライアンを見たのは、久しぶり。元チャンピオン健在です。でも、点数は85.84……。第5位。点が出ない……。何やっても、点が出ない…。もう慣れましたが、辛いです……。

 うーん、でも、笑顔で終われた。思う存分の演技が出来た。点数のことは、もう知らん顔しましょう。

 今でこそ、一流選手は皆こぞって4回転を跳びますが、数年前までは4回転不毛時代と言われました。4回転は減点のリスクが凄く大きくて、誰も跳ばなくなったのです。それがルール改正で、4回転の採点が甘くなって、みんなまた跳びだしたのです。でも、不毛の時代には、4回転なしで勝てるのに、何故4回転が必要なんだ、という論争がいつも起きていました。パトリック・チャンも、今では4回転の第一人者のように言われていますが、彼も4回転を跳ばないで3回転で点数を稼ぐ一人だったのです。

 そんな不毛の時代にも、ショートとフリー両方で、頑なに4回転を入れ続けたのがジュベールでした。最盛期は、一年間出る大会全てに優勝したということもありました。プルシェンコも4回転の王様ですが、怪我が多く、公式大会に出ないことも多かったんですね。だから、細々と4回転の灯をともし続けたのがジュベールでした。男は、黙って4回転。時代の流れに合わせない不器用な人です。でも、そこが大好きなのです。

 今、羽生君が完璧な4回転を跳んで世界のスーパースターになっていますが、ここまで来るには、4回転をフィギュア界から消し去らずに、持続し続けたジュベールのような人がいたことを、どうか知ってください。


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