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Channel: 銀幕と緑のピッチとインクの匂い
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『スター・トレック』2009年版

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STAR TREK
2009年アメリカ映画 パラマウント カラー 126分
監督 J・J・エイブラムス
出演 クリス・パイン ザカリー・クイント カール・アーバン ゾーイ・サルダナ ブルース・グリーンウッド エリック・バナ ジョン・チョー サイモン・ペッグ アントン・イェルチン


 『LOST』のJ・J・エイブラムスが作った新生スター・トレックです。

 惑星連邦軍戦艦USSケルヴィンは、緊急事態に陥り、乗員たちが脱出することになる。ただ一人残り、乗員の命を救ったのが、カーク艦長代理。ジェイムズ・T・カークは、脱出艇の中で、父の絶命の時にこの世に生を受ける。成長したカークは、無軌道で喧嘩好きの若者になっていた。そこに現れたのが、USSエンタープライズのキャプテンであるクリストファー・パイク。カークの父を知る彼は、カークを惑星連邦の士官学校に誘う。3年後、カークは有能ではあるが、有数のトラブルメイカーとなる。そこに、緊急事態が発生し、士官たちは皆出動することになるが……。

 私はトレッキーです。そして、この新生スター・トレックには、どちかというと否定的でした。カークたちの青年時代?何で今更、そんな、と思って。

 でも、実に面白く見ることが出来ました。何が嬉しいって、エンタープライズの主要乗組員が勢ぞろいしているし(みんな若い姿で)、初代エンタープライズの艦長クリストファー・パイクまでいます。演じているのが、私の好きなブルース・グリーンウッドというおまけつきです。

 クリス・パインは、女好きなこと、すぐ腕っぷしに頼るところなど、なるほどカークの若き日ね、と納得出来ます。ルックスは、ウィリアム・シャトナーには似ていないし、若さもあってか、さらに無軌道ぶりに冷や冷やしますが。

 スポック役のザカリー・クイント。まあ、似ているか似ていないかは置いておいて、この人は『HEROES』のサイコ殺人犯のイメージが強いので、どうしても危ない人に見えるんですね。

 ドクター・〝ボーンズ”・マッコイには、カール・アーバン。これは嬉しかったです。カール・アーバン好きなので、彼が大好きなドクター・マッコイ役を演じてくれるというのが単純に嬉しい。良く見ると、目のあたりがちょっとディフォレスト・ケリーに似ているんですね。あと、ボーンズの意味が説明されるというおまけがついているのも面白いです。

 ゾーイ・サルダナはウフーラ役なのですが、彼女だけはどうにもイメージと違いました。まあ、若い綺麗な女の子を配する必要があった、ということがよーくわかります。

 脇にも魅力的な俳優が揃っています。スポックの父親サレックには、ベン・クロス。『炎のランナー』の主演のうち、黒髪の人ですね。そして、サレックの妻、つまりスポックの母親には、ウィノナ・ライダーが扮しています。勿論、あんな大きな息子がいるような年ではないので、老けメイクなのでしょうか?

 一度は、行き場を失ったジム・カークは、まんまとエンタープライズに乗り込みます。彼の今があるのは、ボーンズのお蔭だったんですね(笑)。そして、散々かき回します。バルカン星人で、論理を重んじて感情に無縁のスポックとは、特に対立します。熱さが服を着て歩いているような男のカークとは、そもそも合うはずがないんですよね。

 それでも、宇宙の荒波で、最強の敵と出くわしたら、仲間内で対立だなんだと言っていられないわけです。

 SFXの技術は、オリジナルの頃とは比べものになりませんから、実に見事です。カークたちの若い頃の方が、高性能のエンタープライズだという逆転現象が起きても、何のその。エンタープライズの形も、やっぱりロバート・ワイズ版が一番エレガントかな。

 それでも、チェコフの思いっきりロシア訛りの英語を聞いて、指を2か所くっつけて「長寿と繁栄を」と祈られて、ドクターの「私は医者だ」を聞かされて、やっぱり自分の中のトレッキー魂が起き上がってしまうのですよ。

 オリジナルのようなSF的崇高さはないでしょう。また、オリジナルを知らない方には、どれぐらい楽しめるものなのか、検討もつきません。いや、お金がかかったSFアクションとして、知らない方でも十分に楽しめるものにはなっていると思います。

 それでも、オリジナルを知っていれば、十倍楽しめることは確かです。ここにカークの無意味な前転があれば、尚良かったのに。

 トレッキーなら、細かい部分に茶々を入れながら、そうでない方は、単純にSFアクションとして楽しめばいい映画です。オープニングで、エンタープライズのテーマが出てこないなあと思ったら、何とエンディングテーマにびっくり!これを聞いたら、ジーンときます。ただ、何でクリスティン・チャペルが出てこないかなあ。これだけは、不満です。


 トレイラーです。




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