俳優のイーライ・ウォラックが、2014年6月24日逝去しました。享年98。
ニューヨーク、ブルックリンに生まれ、47年にリー・ストラスバーグと共にアクターズスタジオ創設。何と、創設者の一人だったことは知りませんでしたので、驚きました。
その後、舞台俳優として活躍し、56年の『ベビイドール』で映画デビューを果たしました。
主に脇役として沢山の出演作がありますが、一番に思い出すのが、60年の『荒野の七人』。貧しい農村を襲う盗賊の首領カルベラ役です。彼の悪行のために、ガンマンが7人集まるわけです。冷酷非情なボス。しかし、7人に去っていいと言うなど、どこか憎めない面もあって、味のある役でした。
それから66年のマカロニウエスタン『続・夕陽のガンマン』。クリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリフと共に、「俺、良い奴、俺、悪い奴、俺、嫌な奴」(確か昔のTV放映の吹き替えでこう言っていたと思うのですが、勘違いかもしれません)の3大奴のひとりを演じ、大ヒットしました。イーライ・ウォラックは、嫌な奴として、良い奴のイーストウッドとコンビを組み、あれこれ暗躍します。彼が絞殺される時の、あれ!(ネタバレはなしで)など、ハラハラドキドキで、心に残ります。
『西部開拓史』『マッケンナの黄金』にも出ていましたし、やはり西部劇やマカロニウエスタンの印象が強い人です。嬉々として嫌な役を演じられるのも、アクターズスタジオを創るほどの演技力の基礎があってこそなんですね。
この人の凄いところは、生涯現役であったこと。『ホリデイ』では、元売れっ子脚本家というちょっと意外な役を演じていましたし、2010年の『ゴーストライター』『ウォールストリート』にも出演しています。『ER』や『ナースジャッキー』などのドラマにも出ています。『ナースジャッキー』を見ていて、「おお!まだ元気なんだなあ」と思ったのがついこの前のようです。
でも、やはり一番に思い出すのは、あの不敵な笑顔。『荒野の七人』の主要な登場人物がまた一人去ってしまいました。残るのは、ロバート・ボーンただ一人。淋しいです。
67年には、『Poppies Are Also Flowers』でエミー賞受賞。
2009年にアカデミー賞名誉賞を受賞しています。
48年に女優のアン・ジャクソンと結婚。生涯を共にしました。
生きる映画史であり、演技メソッドの開拓者のひとりという偉大な人でした。
安らかにお休みください。
荒野の七人 [Blu-ray]/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

¥2,571
Amazon.co.jp
続 夕陽のガンマン MGM90周年記念ニュー・デジタル・リマスター版 [Blu-ray]/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

¥5,076
Amazon.co.jp
西部開拓史 [Blu-ray]/ワーナー・ホーム・ビデオ

¥2,571
Amazon.co.jp