クリスマスプレゼントに、お年玉。年末から年始にかけては、子供たちには嬉しい季節ですね。
新学期が始まると、お年玉をいくら貰った、などということが、学校で話題になりました。
うちは、私が小さい頃から、お正月でもどちらかの実家に帰るということがありませんでした。帰れない距離ではなかったのですが、そういう習慣がなかったようです。私を可愛がってくれていた祖母は、小さい時に亡くなってしまったので、正直なところ、私にも会いたいと思う人もいませんでした。ですから、家でのんびりテレビを見て、寝正月。そんなまったりしたお正月をずっと過ごしてきました。
お年玉は、父母両方から貰いました。それから、昔近所に住んでいて、小さい時から可愛がってくれていた「おばちゃん」からも毎年貰っていました。家は離れましたが、母と仲が良かった彼女は、しばしば家を訪ねてくれ、母にお年玉を託してくれました。さらに、父の勤め先からもお年玉を貰っていました。
子供の頃に母が言いました。先祖から家や土地を譲り受けている親戚からの一万円と、裸一貫から始まったおばちゃんがくれる一万円は価値が違うんだよ、と。私の両親も、また裸一貫から始めた人たちでした。
ある程度の年になると、母からお年玉を一万円。そして、父からは五万円を貰うようになりました。はっきり言って貰い過ぎですが、子供がそんなことを考える筈もなく、せっかくくれるものは喜んで貰っていました。念のために言っておきますが、うちは生活に困ることはありませんでしたが、お金持ちには程遠い家庭でした。
困ったもので、5万円を貰いだすと、それが当たり前だと思ってしまうんですよね。でも、ある日、遂にその謎を母が解いてくれました。「うちはお正月にどこも行かないから、親戚からのお年玉が入らない。だから、お父さんはそれを可哀相に思って、お年玉を奮発してくれるのよ」と。
私のお年玉の遣い方は、欲しかった本を買うぐらいのことでした。映画を見にいけるようになってからは、映画も見に行きました。でも、後は使うことはなく、全部母に預けて貯金していました。
今思うと、親の心遣いがひしひし響き、涙目になってしまいます……。こちらも年を取ってわかる親心です。
ところで……親に預けてせっせと貯金していたお年玉、結局どこへ行ってしまったのでしょう?
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お年玉の謎
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