- 夜明けのゾンビ [DVD]/松竹
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タイトルからコメディ映画なのかと思っていましたが、真面目な映画なので驚きました。私がゾンビ映画のレビューを書くことになるとは思いませんでしたが(好きではないので)、これは絶賛されるだけのことはあります。
南北戦争後の南部。兵士エドワード・ヤングが妻子の待つ家に帰ると、妻がゾンビになっていました。涙ながらに妻を殺し、行方不明になった息子を探しに行くエドワード。さらわれた妹を探すアイザックと出会い、ふたりで旅に出ることになりますが……。
いや、これがしっかり西部劇になっているのです。戦争帰り、南軍崩れなど、西部劇のテイストをしっかり踏襲しています。ただ…周りにゾンビがいっぱいなんです。ゾンビに噛まれたら、自分もゾンビになってしまうので、殺すしかありません。かくして、彼らの銃の腕はもっぱらゾンビ相手に発揮されることになるのですが、それだけでは終わらないのが、この映画の妙。
ゾンビにしても、疫病として描かれていて、まあ突っ込みどころはあるにしても、ちょっとした悲哀を感じてしまいます。見ていて気持ち悪いけれど、ホラーが大の苦手の私でも、何とか我慢できる程度なので、大抵の人は大丈夫でしょう。
エドワード役のマーク・ギブソンがかなり格好良いのが救いです。キーファー・サザーランドから危ないところを取り去って、かなりハンサムにした感じです。相棒のアイザックを演じたアダム・シーボルドも良かったです。
他には、映画ファンには懐かしいディー・ウォーレスや、スティーブン・マクハッティが出ています。ディー・ウォ-レスは、『E.T.』や『クジョー』でお母さん役を演じた女優さんですね。
アクションだけに頼るんじゃなくて、失ったものの大きさや哀しみ、生き残った者の使命など、深いところまで描いたゾンビ映画というものを初めて見ました。西部劇ファンなら悪くないかもしれません。