先日、NHKのアナザーストーリーズでベルばらが取り上げられました。
私より上の世代なら多分知らない方はいないであろうベルばら。男性だって読んでなくても名前だけは知っているであろうベルばら、です。
ベルばらをリアルタイムで読んできたのは、多分私が最年少だと思います。今思えば、よくもまああんな難しい話を、読んだものだと当時の自分を褒めたくなってしまいます。
作者の池田理代子さんは、当時既に名のある漫画家で、週刊マーガレットで他の作品を読んだことがあります。そんな彼女が次回作として満を持して取り上げたのがベルばらなんです。ところが、担当者が女性読者は昔の話など読みたくない、と首を縦に振ってくれません。女性は、ラブコメだけ読んでいればいい時代だったんでしょうね。でも、既に詳細を調べていた理代子さんは、担当を変えて貰って、連載を始めたんです。そうしたら、大人気。その後のベルばらフィーバーはご存じの通りです。主役のオスカルは、オスカルなんて呼ばれなくて、オスカル様~と必ず様がついていましたね。
この人気を見て、舞台に取り上げたのが宝塚。宝塚ファンは喜んだようですが、原作ファンからは生きたオスカル様が登場することに批判がかなりあったようです。最初にオスカルを演じたのは、トップスターの榛名由梨でした。彼女も大変だったようですが、あの長谷川一夫の演技指導を経て、オスカル様を作り上げました。こうして宝塚でも、ベルばら大フィーバーが起きます。
そして、日仏合作で映画化されます。初めてベルサイユ宮殿を使ったロケで、主演は美しいバレリーナのカトリオーナ・マッコール。有名な人なので、映画に興味がなくても彼女を見るためだけに、行った人もあるそうです。勿論、私も行きました。当時はわからなかったけれど、監督がジャック・ドゥミ-、音楽がミシェル・ルグラン。とんでもない大物コンビだったんですね。今となっては、どうしてこんな大物たちが監督や音楽を担当したのかわからないくらいです。
番組では、ベルばらは、女性たちがまだ社会進出出来ない時に始まり、多くの女性たちの背中を押したと言っていました。70年代はウーマンリブの時代で、ズバリ合っていますね。ハリウッドでも、70年代後半には、女性映画と言われる『ジュリア』『愛と喝采の日々』『結婚しない女』『アニー・ホール』などが席巻しています。
でも、私はアンドレが大好きだった、というこれまたアナザーストーリーです。