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Channel: 銀幕と緑のピッチとインクの匂い
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『宇宙人ポール』

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宇宙人ポール [DVD]/ジェネオン・ユニバーサル
¥1,500
Amazon.co.jp

 愛すべきSFのおバカ映画です。


 アメリカ、サンディエゴで開かれたSF&コミックの祭典コミコンにはるばるイギリスからやってきたサイモン・ペッグ&ニック・フロストの友人コンビが、ひょんなことからエイリアンのポールと出会い、彼が故郷に帰るのに協力するという一種のロードムービーです。サイモン・ペッグとニック・フロストの並ではないSFおタクぶりが抜群に面白く、古今東西の様々なSFムービーなどへのオマージュが溢れています。それが、おバカ映画でも、愛すべき作品になっている秘密です。コミコンではしゃぐ様子も笑えるし、その後はアメリカ西部でUFOに関連する地を巡ることになります。田舎の小さな町がUFOを売り物にしており、カフェでもUFO関連の飲食物があって、そのひとつひとつが笑えます。


 そして、ある日突然道端で出会ったのが宇宙人のポール。この変わったヒッチハイカーを乗せての旅となるわけです。このポール、在米歴が長く、英語がペラペラなのは勿論ですが、妙にアメリカナイズされています。故にアメリカとイギリスとのカルチャーショックも結構あります。おまけに、性格にも相当問題あり。故郷に帰りたがっていて、協力者を求めている癖に、非常に態度が大きいんですね(笑)。でも、そんなポールと人間の間にも、人種、いえいえ星種を越えた友情が生まれていくというわけです。とにかく、ハンサムではないけれど、サイモン・ペッグとニック・フロストのコンビが良い味を出しています。


 しかしながら、お約束の彼らを追う者が現れます。それは、今までポールを捕らえて隠していた政府の組織。ポールたちは、彼らの追跡をかわしながら必死の逃避行を続けます。その追いかける組織のひとりに、ジェイソン・ベイトマンが扮しています。『大草原の小さな家』のあの可愛いジェームズ君です。近年の活躍の目覚ましさは知っていますが、こんな作品にも出ているんですね。トボけた作品の中で、びしっとスーツを着こなして格好良いです。年齢的には中年になりましたが、格好良いおじさんです。あのジェームズ君がよくぞ、とどうしても彼の少年時代をよーく知っている身としては、感慨に浸らないわけにはいかず、それゆえ、ちょっと視点がぼけてしまう面もあったかもしれませんあせる


 かなりB級っぽく作ってあるのも、映画ファンの心をくすぐります。やっぱり一番面白いのは、あの映画やあの映画のシーンをパロッっているところでしょうね。見て損はない映画だと思います。ただし、かなり下ネタもあるので、お子様の鑑賞はお勧めできません。



 


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