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GRACE OF MONACO
2014年フランス・アメリカ・ベルギー・イタリア映画 カラー 103分
監督 オリヴィエ・ダアン
出演 ニコール・キッドマン ティム・ロス フランク・ランジェラ パス・ベガ パーカー・ポージー デレク・ジャコビ
女優グレース・ケリー(ニコール・キッドマン)は、1956年にモナコのレーニエ大公(ティム・ロス)と結婚し、大公妃となった。だが、なかなか公室になじめないでいた。1961年、アルフレッド・ヒッチコックが、新作『マーニー』のヒロインを演じて欲しいと言いにモナコまでやってくる。グレースは、再び映画に出たいという思いが強くなる。しかし、この頃、モナコは隣国フランスと軋轢を抱えていた。カジノが唯一の収入源であるモナコは、無税の国。これを武器に、フランスの企業を誘致していたのだ。だが、それがド・ゴール大統領の怒りに触れ、モナコに課税することを宣告される。しかし、モナコにお金はない。味方してくれる国もない。絶体絶命の危機にグレースは……。
この映画は、実話を元にしたフィクションです。
グレース・ケリー。大好きな女優さんです。天上のものかと思われるほどの美貌。品の良さ。聡明さ。すべてを備える、典型的なヒッチコックビューティー。その彼女は人気絶頂だった時に、モナコのレーニエ大公と結婚し、妃となる道を選びました。世界中で大変な話題になったと聞きます。結婚式の映像も見たことがあります。もし、その時、私が生きていたなら、必死に情報を追ったことでしょう。
この結婚は、世紀のシンデレラストーリーと言われていますが、恐らくはそんなに簡単なものではなかったでしょう。フィラデルフィアの裕福な家の娘。ハリウッドに進出してからも、すんなりとスターになり、オスカーも貰った。順風満帆の人生を、一気に方向転換させたのは何故なのでしょう。レーニエ大公への愛?そうなのだと思いたいです。
グレース・ケリーを演じるのはニコール・キッドマン。正直、グレースより美しい人がこの世にいるとは思えませんが、それでも今のハリウッドで、演じることが出来るのは彼女だけでしょう。プライベートで緩やかな服装に身を包んだ、素のままのグレースも素敵です。でも、何と言っても、やはり公妃の礼装に姿を変えていくシーンが最高です。
孤立しがちなグレースが、あらゆることを相談するアメリカ人のタッカー神父にフランク・ランジェラが扮しています。フランク・ランジェラをご存じの方は、神父役というのに驚くのでは。他にも、マリア・カラス、オナシスなど、彼女の周りに集った人々は、歴史に名を残すような大物ばかり。
グレースにお妃教育を施していくデリエール伯爵に、デレク・ジャコビ。このデレク・ジャコビが、まさしく紳士で、優しさを身にまとう素敵な人なのです。
レーニエ大公を演じるティム・ロスは、眼鏡をかけているシーンが多いです。だから、本当は何を考えているのか、はっきりわからない。ただ、頑なに課税の件を拒否し続けますが、対抗策があるわけでもない。頼りないと言ってしまえば、頼りない。実際のレーニエ大公の面影とは全然違うところが、ちょっと残念でした。
「おとぎ話のような人生こそおとぎ話だわ」と生前グレースは言ったそうです。彼女が生きたのは、おとぎ話ではない、辛いこともある現実の人生でした。でも、それを彼女は強く生き切った。
彼女が、車のスピードを出してヘアピンカーブを曲がる度に、私の脳裏にあの日のことが浮かびます。神がおつくりになった完璧なる美を、神はあまりに早くお召しになりました。まだ、グレースのことをどれだけも知らないうちに、彼女の映画をほとんど見ないうちに、彼女はこの世を去ってしまったけれど、彼女が残してくれた映画は永遠です。
トレーラーです。