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Channel: 銀幕と緑のピッチとインクの匂い
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『パリは燃えているか』

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パリは燃えているか [DVD]/パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン

¥4,104
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PARIS BRULE-T-IL?
IS PARIS BURNING?
1966年 フランス・アメリカ映画 パラマウント 白黒 173分 
監督 ルネ・クレマン
出演 ジャン=ポール・ベルモンド アラン・ドロン オーソン・ウェルズその他




 1944年8月のパリ。ドイツ軍支配に抵抗し続けるレジスタンスには、2大勢力があった。自分たちでパリを守るべく、立ち上がろうとするロル大佐(ブルーノ・クレメル)率いる自由フランス軍と、連合軍を待つというベイエ(ダニエル・ジュラン)率いるド・ゴール派に分かれて対立していた。ドイツ軍のパリ占領司令官コルティッツ将軍(ゲルト・フレーベ)は、ヒトラー総統から、連合軍が進行してきたら、パリを焼き払えという命令を受ける。その指令を胸に赴任したが、レジスタンスたちの反撃はどんどん強くなっていく……。



 フランスとアメリカの大スターたちが共演した戦争映画です。話は、第二次大戦末期。パリに進駐するドイツ軍がどんどん追い詰められていく時です。連合軍は、ノルマンディに上陸して、パリに向かっているという噂がある。フランスに残っているレジスタンスは、ますます激しい抵抗を繰り返す。そんな中、新しいパリ占領司令官として赴任したコルティッツ将軍が受けた命令は、撤退する時になったらパリを焼き払えということ。思わず、「ノートルダムも、ルーブルも?」と聞くコルティッツに、ヒトラーは情け容赦もなく、「そうだ」と言います。パリが延々と築いてきた文化や伝統は、ヒトラーの前には無価値のものだったのです。


 一口にレジスタンスと言っても、色んな派に別れて、やんやとやっていて一貫した主張がないものです。国を取り戻すという思いだけは一緒でしょうが、その方法にもそれぞれの主義主張があって、一致しません。


 映画は、そんなレジスタンスの中心人物のひとりで、逮捕されているベルナール・ラベが、ドイツ送りになるのを阻止しようとする話から始まります。ラベ夫人(レスリー・キャロン)は、スウェーデン大使館のノルドリング領事(オーソン・ウェルズ)に夫の釈放を懇願しにいきます。フランスの政治犯たちが、家畜のように列車に載せられてドイツ送りになる駅に、ラベ夫人は、ノルドリング領事と駆けつけるのですが……。レスリー・キャロンの妻役もいいですが、オーソン・ウェルズの存在感は大きな役割を果たします。


 それから、レジスタンスに加入しようと学生たちが集まるシーンも忘れられません。


 そして、レジスタンスのガロア少佐(ピエール・ヴァネック)が米軍まで助けを求めに行くシーンが大変印象に残ります。米軍がパリまで進軍するかどうかは、君次第だと言われたガロア少佐が、米軍のお偉方を前に、必死の訴えをします。心に残るシーンです。

 
 出演者は、キラ星の如く。シャバン役のアラン・ドロンは市民を説得する役を任されます。あのドロンでさえ、出演シーンは少ないです。ピエロール(ジャン=ポール・ベルモンド)は、大統領官邸のシーンで活躍します。相変わらず飄飄と。


 ダニエル・ジュランたちは、警察本部を占拠します。よくぞ、ルーブルから略奪が起こらなかったなあ、と思っていたのですが、ルーブルも、レジスタンスが占拠していたそうです。


 最後に活躍するレジスタンスのカルシェール(ジャン=ピエール・カッセル)。お医者さんのシャルル・ボワイエ。ジャン=ルイ・トランティニヤン。戦車に乗ったイブ・モンタンに、プライベートでもモンタン夫人のシモーヌ・シニョレは、カフェのマダムで貫録の演技を見せます。


 アメリカ軍側からは、お偉方のカーク・ダグラス、グレン・フォード、ロバート・スタック。パリに憧れ、パリに着いたことで舞い上がるアンソニー・パーキンス。そして、ジョージ・チャキリス。  


 ため息が出るような豪華キャストに、モーリス・ジャールの素晴らしい音楽が流れます。とても重い話なのに、どこかユーモアも忘れていない。脚本は、若き日のフランシス・フォード・コッポラと、ゴア・ヴィダルが担当しています。

 
 超一流が揃った、第二次世界大戦の記録。外れた受話器から聞こえてくるヒトラーの、「パリは燃えているか?パリは燃えているか!?」の声が、ずっと心に残ります。



トレイラーが見つからないので、メインテーマを。

 



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