トップ・ハット ニューマスター版 DVD/IVC,Ltd.(VC)(D)
¥1,944
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TOP HAT
1935年アメリカ映画 99分 白黒
監督 マーク・サンドリッチ
出演 フレッド・アステア ジンジャー・ロジャース エドワード・エヴェレット・ホートン
アメリカのレビュースター、ジェリー・トラバース(フレッド・アステア)は、ホレス・ハードウィック(エドワード・エヴェレット・ホートン)に招かれ、公演のためにロンドンにやってくる。ハードウィックの妻マージは、今ベニスにいて、トラバースに女性を紹介したいと言っているらしい。ロンドンに着いた夜、ジェリーは、ホテルの部屋で激しいタップダンスを踊り出す。階下の部屋で眠るデイル・トレモント(ジンジャー・ロジャース)は、眠れないと文句を言いに来る。彼女に魅了されたジェリーは、翌日乗馬に赴くデイルの御者を内緒で務め、雨が降ってきた公園で雨宿りしながら、歌いダンスを踊る。ふたりの気持ちは通じたかに見えたが、デイルがジェリーのことを、友達マージの夫ホレスだと思い込んだことから……。
アステア&ロジャースコンビの第2作目にして、最高傑作だと私は思います。ストーリーは、わかりやすいコメディです。誤解が誤解を生んで…というお話。やきもきするところが多々あるお話ですが、ダンスシーンを見ていると、そんなことは忘れてしまいます。
やはり一番の見どころは、“Cheek to Cheek”だと思います。アービング・バーリンが書き下ろしたという名曲。映画のクライマックスに登場します。「私は天国にいる」という歌詞の通り、優しい優しいダンスとメロディ。ふわふわの毛皮で、顔を撫でられている気分になります。アステアの優雅なダンス。ジンジャー・ロジャースのひらひらしたドレス。羽根がいっぱいついたような彼女のドレスは、ダンスの動きをよりダイナミックにロマンティックに魅せます。女性なら、ああいうドレスで踊るというのは夢ではないでしょうか。
冒頭のホテルの部屋で踊るアステアのタップは、ダイナミックです。ただ、勿論、ホテルで夜中に踊るのはマナー違反ですが、それがご愛嬌で、彼女との出会いになるわけです。そのお詫びのために、今度はホテルの部屋に砂を敷いて、その上でダンスを踊ります。いやいや、そこはもう踊らないところでしょう、と思わず突っ込みたくなります。
ジンジャーと初めて出会うシーンで、アステアは、自分のことを急に踊り出すダンス症候群です、と紹介するところが笑えます。
エドワード・エヴェレット・ホートンのボケ役も楽しいし、彼の従者さんに至っては、爆笑シーンがいっぱいです。特に、イタリアの警官とのシーンは笑えます。
陽気なピコリーノの群舞も美しいです。この時代のミュージカルは、群舞がまた違う魅力を放つんですよね。
それでもやっぱり、“Cheek to Cheek”なのです。その後の様々な映画にも使われてきたこの曲、このシーン。アステア&ロジャースと言われれば、一番にこのシーンを思い出します。このシーンのために、この映画はある、と言っても過言ではないのでは。
トレイラーです。
「Cheek to Cheek」のシーンです。見てもネタバレにはなりません。この動画は、ずっと歌が入っていますね。
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『トップ・ハット』
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