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Channel: 銀幕と緑のピッチとインクの匂い
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5.9、5.8、6.0

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 フィギュアスケートの旧採点方法はさすがに皆さま、ご記憶だと思いますが、各国(とは言っても選ばれた国ですが)の審判が、技術点、芸術点を、6点満点で出す方法でした。


 選手が滑り終わると、「誰々さんの得点、5.6,5.7.5.6」などと会場アナウンスが読み上げ、観客も選手もそれに一喜一憂するのであります。


 色々不正が取りざたされて、今の採点方法に変わったわけですが、どうなのでしょう。私は、以前の採点方法の方がましだった気がします。どこの国のどの審判が何点を出したのか、すぐわかるのですよね。だから、あまり不自然な点は出しづらいのです。今のような足し算と引き算の数学競技じゃなくて、演技を見た後の総合的な直観勝負でもありました。だから、見ている方が感動するような演技は、やはり高得点だったことが多かったような気がします。勿論、当時でも、??な採点は多かったし、問題にもなりましたけれどね。


 それから、最低点と最高点は外されて、残りの点数で計算していたために、極端な点数が省かれるというメリットもありました。何よりも、興奮冷めやらぬうちに、得点が読み上げられるあの感動、時に怒りが良かったなあ。6.0が出るのは、余程の神演技でした。それ以上がないので、天井知らずの銀河点もなかったわけです。


 今も勿論、感動出来る沢山のスケーティングに出会います。でも、一部には足し算にこだわって、音楽に合わせた無難なコンパルソリー(規定)のようなプログラムを滑るような選手もいて、感動が薄れているような気がします。


 フィギュアスケートが好きになって〇〇年。いつまでも記憶に残る素晴らしいスケーティングに出会えたのは、圧倒的に旧採点時代でした。


 


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