マイ・フレンド・フォーエバー [DVD]/ブラッド・レンフロ,ジョセフ・マッゼロ,アナベラ・シオラ
¥1,533
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THE CURE
1995年アメリカ映画 カラー100分
監督 ピーター・ホートン
出演 ブラッド・レンフロ ジョゼフ・マゼロ アナベラ・シオラ ダイアナ・スカーウィッドブルース・デイヴィソン
母親と二人で暮らすエリックの家の隣に、やはりシングルマザーの親子が引っ越してきた。そこには、どうやらエリックと似た年頃の少年がいるらしい。しかし、庭での遊びを通じて、隣の少年デクスターと、塀越しにエリックは知りあうようになる。デクスターは、幼少の時の輸血が元でHIVの感染者になったと打ち明ける。エリックは戸惑うが、空気感染はしないというデクスターの言葉で、やがてふたりは一緒に遊ぶようになる。エリックの母親は仕事第一で、エリックはいつもひとりで留守番する日々だったが、デクスターの母親は、エリックを優しくもてなしてくれて、毎日のようにデクスターの家で食事をするようなる。デクスターと母親はとても仲が良かったが、そこに当然のようにエリックの居場所を作ってくれたのだ。そんなある日、ニューオリンズでHIVの特効薬が作られたという記事を見つけたエリックは、その薬を手に入れるべく、デクスターと旅に出る……。
ブラッド・レンフロは、『依頼人』で好きになった少年俳優です。ルックスは可愛いのだけれど、どこか世を拗ねたところがあり、ちょっと反抗的なところもあり、必ずしも模範少年でもない、そんなところが好きです。
そんな彼が、自分の特徴を活かしながらも、少年らしい役を演じた作品です。彼の親友デクスターには、『ジュラシック・パーク』のこちらも名子役のジョゼフ・マゼロが扮しており、二人の自然な演技に惹かれる作品です。
孤独な少年エリックに初めて出来た親友デクスターは、HIV感染者でした。それ故に、周囲からはあらぬ偏見も受けており、デクスターは学校に通っていませんが、エリックの学校の子たちは、デクスターに思いっきり偏見を持っており、彼と仲良くなったエリックのことも苛めます。エリックの母親とて同じ。決して、デクスターには近づかないように、ときつく言い聞かせます。
でも、エリックの心を掴んだのはデクスター本人であって、HIVというのは、たまたまデクスターについてきたものだったのでしょう。最初こそ戸惑いはあったものの、すぐに塀を超えて一緒に遊ぶようになります。エリックにとって、隣家との塀を越えるのが簡単だったように、心の壁も一足で乗り越えてしまったのでした。
その後は、彼らの子供らしい冒険が続きます。まるでハックルベリー・フィンのようです。ただ、少年たちのひと夏の冒険ストーリーでは終わらない厳しい現実を見る旅なのです。
子役ふたりの演技は、素晴らしいです。身体が小さく病気のために弱々しいジョゼフ・マゼロ。体も大きく、活発な、というより無鉄砲なブラッド・レンフロ。11歳にはとても見えないけれど、今回は割と子供らしい役だったなと思います。
そして、病気のデクスターを見守るお母さん役のアナベラ・シオラが素晴らしいのです。ひとりで必死に守り抜いてきた息子です。いつ何があるかわからないのです。いつまで生きられるかわからない。いつまでも自分の手元に置いて、出来るなら外へも出さず、危険なことには一切近づけず、ただただひな鳥のように守りたい息子でしょう。でも、この母親は敢えてデクスターを外に出すことを選びます。それは、エリックが恐らくはデクスターに初めて出来た友達だから。少年らしい遊びや楽しさを味わって欲しかったのでしょう。母親の気持ちを考えると、涙が出ます。
子供、難病、と聞くだけで、泣ける映画のレッテルが貼られているようなものです。この映画は確かに泣けます。でも、さあ泣け!という感じではないのです。そこが素敵だなと思います。
トレイラーです。
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『マイ・フレンド・フォーエバー』
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