今年1月、南カリフォルニアの雪深いボールディ山でハイキング中にジュリアン・サンズが行方不明になりました。捜索は続いているが、見つからないままでした。80名以上の人員、2機のヘリコプターにドローンも投入して行われたが、成果はありませんでした。現在は暖かい気候になっているものの、山の急斜面や渓谷には10数フィートの雪と氷が残り、いまだアクセスできないエリアがあるのだそうです。
ジュリアン・サンズは、ハイキングの上級者で、度々ハイキングに出かけていたそうです。兄のニック・サンズさんは弟の行方が分からなくなった今年1月、「もうお別れは言った」、「彼がいなくなったことを受け止めて、自分としてはそうやって対応している」とコメントしていました。
6月24日、米カリフォルニア州南部の山中で、身元不明の遺体が見つかりました。この近くでジュリアン・サンズが行方不明になり、捜索作業が行われていたところです。そして、この遺体が本人のものと正式に確認されました。享年65。行方不明の報が入ってから、何とか無事に見つかってくれるように、と祈り続けていましたが、日々は過ぎ続け、あきらめるしかないのか、と思っていました。ジュリアン・サンズは、好きな俳優なので、ショックです。ハイキング上級者の彼に何があったのか、は、もう誰もわかりません。急な天候の変化があったのか。
ジュリアン・サンズといえば、誰でも86年の『眺めのいい部屋』を思い浮かべるでしょう。格好良い役でした。
でも、私は、84年の『キリング・フィールド』が一番好きです。カンボジア内戦を描いた映画なのですが、当時の私は、年齢的に仕方ない部分もあったものの、ポルポト政権下でこんな酷い虐殺が行われていたことをほとんど知らず、頭をかち割られるような大ショックを受けたのでした。試写会で見た映画ですが、あまりに傑作だったので、母を誘って、もう一度見に行きました。映画の中で、フランス大使館に逃げ込んだ外国人ジャーナリストのひとりが、ジュリアン・サンズだったのです。こんな深刻な映画で、イケメンを見つけて喜んでいてはいけないのですが、唯一の目の保養でした。
他には、1989年のホラー映画「ワーロック」で主演したほか、1990年のパニック映画「アラクノフォビア」、1993年のミステリー「ボクシング・ヘレナ」、1995年の「リービング・ラスベガス」など、数々の作品に出演しました。 テレビでは2006年に『24』でロシア人テロリストを演じました。この時は、びっくしりましたねえ。2009年には「ヤング・スーパーマン2」でスーパーマンの実の父親を演じています。
最近では、『ドラゴン・タトゥーの女』アガサ・クリスティーの『ねじれた家』、『キーパー ある兵士の奇跡』、『異端の鳥』などに出演しています。遺作は、『サバイバー2024』です。
突然の事故で、まだ若い命を散らせたジュリアン・サンズ。残念でたまりません。彼の死に至るまでの過程に、苦しみがなかったことを祈るのみです。
安らかにお休みください。