1960年のフランス映画です。あまりに有名なので、詳しい説明は必要ないでしょう。監督は、名匠ルネ・クレマン。主演のアラン・ドロンを大スターにした映画です。モーリス・ロネとマリー・ラフォレが共演しています。そして、この素晴らしい音楽は、ニーノ・ロータ。映画を観たことがない方でも、この音楽はご存知かと思います。原作は、パトリシア・ハイスミスです。
ご紹介の動画、かなり良く出来ていると思います。
貧しい青年トム・リプリーは、富豪の道楽息子フィリップを連れ戻すべくやってきます。しかし、彼と過ごすうちに、フィリップを殺害し、彼の財産を奪う計画を立て始めるのです……。
とにかく、アラン・ドロンが美しい。ハンサムなんて言葉を通り越して、美貌そのものです。でも、実はこの映画を初めて見たのは小学生の時。子供だった私には、ドロンの美貌も、モーリス・ロネの格好よさも、実は理解出来ませんでした。ドロンがどんなに素敵か、を理解したのは、後年のことでした。
小学生だった私を一番惹きつけたのは、何とオーバーヘッドプロジェクター!トムがフィリップのサインを真似するあの有名なシーンで使われるオーバーヘッドプロジェクターですね。学校の授業で使われているあの機械が、映画で出てきたということが凄く嬉しかった記憶は未だに抜けませんあまり小さい頃に見ると、変なものに目が行って、変な記憶ばかり残りますね。
映画の話に戻りますが、フィリップは富豪らしく尊大なところがある人です。マルジュは美しい。このふたりを演じるモーリス・ロネとマリー・ラフォレも忘れてはなりません。トムは、マルジュも奪おうとしてアタックします。ドロンが、マリーの手を取って、口づけするところ。今の映画に比べれば、実に地味な愛情シーンなのに、マリーの顔を見つめるドロンの官能的なこと!
太陽の下でヨットを操る有名なドロンの上半身裸のシーン。完全犯罪を狙う彼の様々な陰謀。そして、フィリップの……(以下、ネタバレになるので言いません)。
他の出演者も素晴らしいけれど、やはりこれはアラン・ドロンの、ルネ・クレマンによる、ドロンのための映画だと思います。ドロンなくして、この名画は成り立たなかったし、さらに映画に添えられたこの哀愁溢れるニーノ・ロータの音楽なくしても成り立たなかったと思います。
当時のドロンの婚約者ロミー・シュナイダーが、カメオ出演しているそうです。今度見直す時があったら、確認しなければ!
ちょっとネタバレになりますが、ラストでドロンが立ち上がるシーン。まぶしい太陽、満面の笑み。ドロンがしたことは許されるはずがないことなんです。ええ、ドロンは悪い人なんです。でも……、行っては駄目、トム・リプリー!!と引き止めたくなるのは、私だけでしょうか。
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