フランスの大スター、ジャン＝ルイ・トランティニャンが6月17日、逝去しました。享年91。家族がAFPに対し明らかにしました。
1966年の『男と女（A Man and a Woman）』で名を馳せ、60年にわたり銀幕で活躍しました。
実業家の息子で、法律学校で学んでいましたが、20歳で演劇に目覚め、演技やダンスを勉強します。51年に舞台デビューし、５５年に『空と海の間に』で映画デビューします。56年『素直な悪女』でブリジット・バルドーの夫役を演じて有名になりました。そして、66年、音楽も有名になった『男と女』でアヌーク・エーメと共演し、世界的なスターになります。彼はカーレーサーの役で、ひとりで子供を育てていますが、同じ境遇のアヌーク・エーメと出会い、愛が芽生えます。
その後、『Ｚ』『暗殺の森』『狼は天使の匂い』など、立て続けに名作に出演します。
73年の『離愁』は大好きな映画です。ロミー・シュナイダーと共演。とても優しい男性の役で、最後が泣けるんです。
『フリックストーリー』『日曜日が待ち遠しい！』『遠い日の家族』86年には、20年ぶりの続編『男と女Ⅱ』に出演します。
さらに3作目『男と女 人生最良の日々』が遺作となりました。
知性派で優しい役が多い役者さんでした。
2度結婚していますが、最初の妻は女優のステファーヌ・オードランです。
フランスのマクロン大統領はTwitterで、60年以上にわたり130作以上の映画と50作以上の舞台に名を連ねた偉大な俳優の死を悼みました。 「Hollywood Reporter」などによれば、2018年に前立腺がんに罹患し、2021年には視力の衰えや歩行もままならないなど体調を崩していました。最期は30年以上住み続けた南仏の自宅で家族に看取られながら、安らかに息を引き取ったということです。 当時82歳だったトランティニャンは、カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞し、アカデミー賞の外国語映画賞を受賞したミヒャエル・ハネケ監督作『愛、アムール』(12)で主役の老音楽家夫婦の夫役を熱演するなど、往年も活躍を見せていました。
なんとも味のある良い役者さんでした。
安らかにお休みください。
