ロシアのフィギュア選手で、ピョンチャンオリンピックチャンピオンのザギトワ選手が、休養を発表しました。一部では、事実上の引退と言われていますが、とりあえずここでは、休養という扱いにさせて貰います。
今シーズンのグランプリ大会では、予想された通り、ジュニアから上がったロシア3人娘が全ての大会で優勝し、ファイナルでもメダルをさらっていきました。ザギトワは、まさかの6位。精神的なショックは、相当なものだったでしょう。
世界選手権に出場するにも、枠は3枠。ザギトワもメドベージェワも、出場権を獲るのが危うい状態です。どんなにふたりが華麗に完璧に踊っても、4回転やトリプルアクセルをピョンピョン跳んでくる3人娘には叶いません。
かつて、真央ちゃんがトリプルアクセルを武器に、世界と闘っていた時は、高度な技に高い点数がつかず、いつも苦々しい思いでいました。それに比べれば、今は高度な技に高い得点がついているわけですから、公平ではあるわけなんですよね。
ただ、その高度なジャンプがいつまで跳べるか。ザギトワもオリンピックから身長が7cm伸びて、体形変化に苦しんでいると聞きます。
シングルに於いて、ジャンプは最も大事な要素であることは確かなんですが、17歳で引退していくような時代になったことには驚きを隠せません。ザギトワだけではありません。「シンドラーのリスト」で世界を魅了した天才少女リプニツカヤも、早くに引退してしまいました。
その一方で、同じロシアのトゥクタミシェワは、シニアに出てきた時、わーっと騒がれ、それから沈没し、忘れられた頃に、トリプルアクセルを取得して、その年は世界チャンピオンになる無双ぶりでした。今は、20代になっていますが、今でもトリプルアクセルを跳んでいます。真央ちゃんも、伊藤みどりちゃんも20代になっても、トリプルアクセルを跳んでいました。
小さい時から世界を目指して全てを注ぎ込んで来たフィギュアを、10代で引退しなければならないなんて、選手も悔しいでしょう。フィギュアは、ジャンプだけではなく、演技力などは大人でなければ出せない魅力もあります。実際、30代のカトリーナ・コストナーなどは、大人のしっとりとした魅力を感じさせます。
ザギトワも、たかだか1歳や2歳年下の選手に負けないで、戻ってきてくれないでしょうか。メドベージェワも頑張っているんですから。
何年間も見続けて、お馴染みの選手の成長を見届けるのも、フィギュアを観戦する醍醐味です。フィギュア女子の選手寿命がもっと延びてくれるといいと思います。