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THE PARADINE CASE
1947年アメリカ映画 白黒 115分
監督 アルフレッド・ヒッチコック
出演 グレゴリー・ペック アリダ・ヴァリ アン・トッド ルイ・ジュールダン チャールズ・ロートン チャールズ・コバーン エセル・バリモア レオ・G・キャロル
盲目のお金持ちパトリック・パラダイン殺害容疑で、妻のマダレーナ(アリダ・ヴァリ)が逮捕された。事件を担当する弁護士は、アンソニー・キーン(グレゴリー・ペック)。接見を繰り返すうちに、キーンは、マダレーナに魅力を感じ始め、彼女の無実を勝ち取ろうと躍起になっていく……。
アルフレッド・ヒッチコックが撮った法廷劇です。いつものように、追っかけっこがあるわけでもないし、危ないシーンがあるわけでもない。多くの舞台は、刑務所の接見室です。ここで、グレゴリー・ペックは、アリダ・ヴァリの話を聞くのですが、彼女はミステリアス。困ったことに、グレゴリー・ペックが妻ある身なのに、アリダ・ヴァリの魅力に惹かれていくんですね。で、必要以上に肩入れしてしまうのです。グレゴリー・ペックのこういう役は、あまり見たくなかったな、というのが本音です。
でも、裁判劇としては面白いです。犯人の可能性があるのは、まず、パラダイン夫人。それから、ルイ・ジュールダンが演じるパラダイン氏の世話人アンドレ・ラトュールです。どちらが犯人なのか、それとも、違う犯人がいるのか。この映画を見ていて思ったのは、人間って感情の追いかけっこをする悲しい動物なんだな、ってこと。
女優陣は、アリダ・ヴァリの全く表情を変えない、ミステリアスな不思議な雰囲気が立ちます。この映画で一番ホッとさせてくれるのが、グレゴリー・ペックの妻アン・トッドの存在です。結婚11年目の仲良し夫婦だったのに、この裁判に関わって以来、夫が変わっていく……。その不安さを、アン・トッドが良く出していました。この映画は、夫婦愛を描いている、という点でも、他のヒッチコック映画とはちょっと違いますね。
チャールズ・ロートンなどのベテラン陣もさすがの貫禄です。
ヒッチコック映画としては、あまり知られていない部類だと思いますが、なかなか面白い映画です。
トレイラーです。