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Channel: 銀幕と緑のピッチとインクの匂い
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『アトランティスのこころ』

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アトランティスのこころ 特別版 [DVD]/ワーナー・ホーム・ビデオ
¥1,543
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HEARTS IN ATLANTIS

2001年アメリカ映画 WB カラー 101分

監督 スコット・ヒックス

出演 アンソニー・ホプキンス デビッド・モース アントン・イェルチン ホープ・デイビス ミカ・ブーレム アラン・テュディック



写真家として活躍するボビー・ガーフィールド(デビッド・モース)の元に、幼馴染の訃報が届く。葬儀のために、ボビーは生まれ故郷に戻る。……1960年の夏、11歳のボビーは、幼馴染のキャロル(ミカ・ブーレム)やサリーと共に、楽しい休みを過ごしている。父が亡くなり、シングルマザーのリズ(ホープ・デイビス)は、あまりボビーを構ってくれない。そんな時、ボビーの家の2階に新しい下宿人テッド(アンソニー・ホプキンス)が越してくる。不思議な感じのある老人テッドに、ボビーは惹かれて、仲良くなっていく……。



原作は、スティーヴン・キング。不思議な力を持つ老人をアンソニー・ホプキンスが演じています。寡黙で枯れた味わいのある、それでいて情のある老人役はぴったりです。レクター博士のおかげで、すっかり彼には怖いイメージがついてしまったのですが、こういう役の方が似合うと思います。



母は、若くして亡くなった父のことを悪く言います。お金を残してくれなかった。ギャンブルで、すってしまった。それを、ボビーは黙って聞いています。でも、本当はボビーにとって、父親はヒーローなのです。そんな父親のイメージをテッドに求めたのでしょうか。ボビーは、テッドに懐きます。毎日、新聞を読んで聞かせるというアルバイトを貰い、さらに「奴ら」が来るかを見張っていて欲しいとテッドは言います。テッドは、キャロルやサリーにも好かれ、時々4人でいることもあります。今や、テッドはボビーにはなくてはならない人でした。仕事に忙しく、自分を顧みてくれない母親の分も、知らないうちにテッドは務めていたのです。



このボビーとテッドの年齢を超えた友情が物語の軸となります。テッドには、どうやら恐れていることがあるらしく、ボビーは自分が守ると言います。



それから、ボビーと幼馴染のキャロルとの淡い初恋が可愛いです。スポーティなパンツ姿で、野山を駆け回るかと思ったら、今度はとっても可愛いワンピースを着てくるキャロル。キュートな女の子です。本作は、彼ら子役の演技が大変光ります。



この映画は、公開から1~2年経ってから見ました。今回、見直してみて、そのキャストにびっくりしました。主人公の男の子役は、何とアントン・イェルチン!!彼は子役だったんですね。それも並みの子役じゃないです。繊細で、可愛くて、凄く良い演技をしています。彼が、長じて、リブート版の『スター・トレック』でチェコフ役で、ロシア語なまりの英語を話すようになるとは!この映画で、アントン・イェルチンのことをずっと覚えていたとしたら、『スター・トレック』を見た時に、びっくり仰天ということになったわけですね。そのアントン・イェルチン、若くして亡くなりました。どんなにか良い俳優になっただろうに。



キャロル役のミカ・ブーレムも、どこかで見た顔だと思ったら、『パトリオット』でヒース・レジャーの妹を演じていました(長女役)。そして、お祭りでのカードのマジシャン、アラン・テュディックは、同じくヒース・レジャーの『ロック・ユー!』の赤毛の仲間役でした。今見ると、何とも懐かしいメンバーが集まった映画だったのです。そして、大好きなデビッド・モースも。



「オンリー・ユー」や、「煙が目に染みる」など50年代ヒット音楽が満載で、ノスタルジー満点です。少年と老人の友情もので、キングが原作で、田舎が舞台となれば、感動するポイント満載というもの。実際に、しみじみとするとても良い映画です。佳作だと思います。



トレイラーです。









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