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RAIN MAN
1988年アメリカ映画 カラー 134分
監督 バリー・レヴィンソン
出演 ダスティン・ホフマン トム・クルーズ ヴァレリア・ゴリノ ジェリー・モーレン
ロサンゼルスで中古車販売業者として働くチャーリー(トム・クルーズ)は、店の資金繰りに困る日々を送っていた。そんな時に、勘当同然で別れた父が亡くなったことを弁護士から知らされる。父の葬儀で、恋人のスザンナ(ヴァレリア・ゴリノ)と、シンシナティに戻ったチャーリーは、弁護士から、父の遺産300万ドルが自閉症の兄レイモンド(ダスティン・ホフマン)へ贈られることを知る。チャーリーにとっては、存在も知らない兄であり、青天の霹靂だった。何とか遺産をものにしようと企むチャーリーは、施設から内緒でレイモンドを連れ出し、ロサンゼルスに向かう……。
ダスティン・ホフマンがアカデミー賞主演男優賞を受賞した作品です。
トム・クルーズ演じるチャーリーは、父親に絶縁されていて、およそ気の良い男性ではありません。そんな彼は疎遠だった父の訃報を受け取り、遺産が全て兄に残されたことを知ります。寝耳に水とはこのことでしょう。チャーリーは、自分に兄がいることを知らなかったのです。おまけに、その兄が遺産をすべて持って行ってしまう。チャーリーの気持ちが穏やかではないことはわかります。兄レイモンドは、自閉症で、ずっと施設で暮らしていました。レイモンドはレイモンドなりに、施設で平和に暮らしていたのです。しかし、チャーリーは、そんな兄を連れ出してしまいます。目的はただひとつ。レイモンドが受け取った遺産を何とか自分のものにしたいと思ったからです。そんな邪な理由から、兄弟の珍道中が始まります。
ロードムービーというのは、私の好きな分野です。旅で出会う人々や、出来事により、その人物が成長していく物語です。この作品もロードムービーです。それも、全く似ていない年の離れた兄弟のロードムービーです。
ダスティン・ホフマンは、自閉症の男性を演じます。その演技力はさすがです。自閉症といっても、いろいろな症状の方がいると思うので、すべての方に当てはまるわけではないでしょうが、指の先まで神経の行きわたった演技というのは、こういうことを言うのではないでしょうか。非常にこだわりが強くて、必ず決まった時間に決まったテレビ番組を見なければいけない、などの症状があり、弟を翻弄します。
また、レイモンドは滅法数字に強い天才です。ダイナーの爪楊枝のシーンは忘れられません。恐らくは、連れ出してしまったものの、とんだお荷物を背負い込んでしまった、と思っていたであろうチャーリーは、その天才ぶりを見て、俄然ハッスルしてしまうのです。
ただ、実際に自閉症の方やその家族の方々には、この映画はどう見えるのでしょうか。どうしても、ダスティン・ホフマンが演じるレイモンドは奇異に見えてしまいます。その一方で、天才性を秘めてもいます。でも、誰もがこうでもないはず。ただひとつ言えることは、今まで社会で表面に出てこなかった自閉症という病気を知らしめたであろう、ということです。
ダスティン・ホフマンの渾身の名演技の陰に隠れてしまっていますが、トム・クルーズも、今までの出演作の中で、最も良かったのではないかと思います。欲に溺れた軽い奴だった弟が、兄と触れ合って変わっていく様が感動的でした。
最後は、あれで良かったのだと思います。
トレーラーです。