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Channel: 銀幕と緑のピッチとインクの匂い
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『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』

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THE CURIOUS CASE OF BENJCAMIN BUTTON

 
2008年アメリカ映画 WB カラー 167分
 
監督 デヴィッド・フィンチャー
 
出演 ブラッド・ピット ケイト・ブランシェット ティルダ・スウィントン ジェイソン・フレミング タラジ・P・ヘンソン ジュリア・オーモンド エル・ファニング

1918年、ニューオーリンズ。富裕なバトン夫妻の間に生まれた男の子は、赤ん坊なのに皺だらけの老人のような様相をしていた。母親は、出産で亡くなり、動転した父(ジェイソン・フレミング)は、老人養護施設の前に息子を置き去りにしてしまう。施設を営むクイニー(タラジ・P・ヘンソン)は、彼を引き取り育てることにする。大きくなっていくベンジャミン(ブラッド・ピット)は、老人施設の中で何の違和感もなく、育っていく。そして、ベンジャミンは成長していくにつれ、車椅子から立ち上がり、皺が減り、若返っていくのだった。1930年の感謝祭の面会日に、ベンジャミンは、入居者の孫で遊びに来ていた6歳のデイジー(エル・ファニング)に出会う……。


F・スコット・フィッツジェラルドの短編を映画化したものです。掌編と言ってもいいくらい短い作品なので、映画化にあたっては、かなり膨らませてあります。


普通の人とは逆に、老人として生まれ、段々若返っていくベンジャミン・バトンの生涯を、ブラッド・ピットが演じます。富裕な家に生まれたのに、あまりに奇異な姿ゆえに、捨てられてしまったベンジャミン。捨てられた先が、老人養護施設というのは、父親なりに考えた結果だったのでしょうか。


その施設を経営するクイニーに、ベンジャミンは育てられます。この養母クイニーが、凄く良いんですよ。老人施設を経営しているだけあって、肝っ玉が据わっているというかなんというか。とんでもない運命を背負って生まれてきたベンジャミンを受け止めて、育てようというのですから大したものです。そして、彼女の存在そのものから感じられる大きな愛。タラジ・P・ヘンソンの名演が光ります。


老人施設の入居者たちも、ベンジャミンを受け入れます。年は若くても、容姿は老人であるベンジャミンは、ここで沢山の人に出会います。どんな日でも、国旗を掲揚する元陸軍のお偉いさん。元オペラ歌手だった女性は、レコードに合わせて歌います。ピアノを教えてくれた仲良しの老婦人もいました。ただ、ここは老人ホーム。人が去り、また新しい人がやってくる。それが宿命です。


そんなベンジャミンが、ある日6歳の少女デイジーに出会います。老人の様相のベンジャミンが、「実は自分は子供なんだ」と言うと、デイジーはすぐに返事をするのです。「わかった」と。


この出会いから、ベンジャミンとデイジーの人生が絡まっていくのです。最初は、老人と小さい少女。どんどん若返っていくベンジャミンと、成長していくデイジー。二人の年は段々近くなっていき……。


長じたデイジーを演じるケイト・ブランシェットの演技も、心に響きます。


ちょっとCGに頼りすぎなことと、長い映画ゆえ冗長な感じが免れないところもあります。 フィッツジェラルドの原作を超えるとは思わないけれど、映画ゆえの壮大なファンタジーとして見ることが出来ます。


トレイラーです。






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