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SENSO
1954年イタリア映画 カラー 119分
監督 ルキノ・ヴィスコンティ
出演 ファーリー・グレンジャー アリダ・ヴァリ マッシモ・ジロッティ ハインツ・モーグ クリスチャン・マルカン
1866年、オーストリア支配下のヴェネチアの劇場でオペラ「イル・トロヴァトーレ」の公演があった。劇場では、オーストリア支配に反対するイタリア人たちが興奮して大騒ぎになる。イタリア統一を目指す地下組織のリーダー、ロベルト・ウッソーニ(マッシモ・ジロッティ)が、オーストリアの青年将校フランツ・マーラー中尉(ファーリー・グレンジャー)と激しく対立し、決闘することになる。ロベルトの従姉であるセルピエーリ伯爵夫人リヴィア(アリダ・ヴァリ)は、決闘を阻止しようと必死になる。ロベルトが逮捕され、一年の流刑を言い渡される。しかし、リヴィアはロベルトと道ならぬ恋に落ちていく……。
名匠ルキノ・ヴィスコンティらしい、豪華絢爛たる耽美な世界を描く恋愛ドラマです。恐らく、ヴィスコンティはこのあたりから、耽美主義になっていったのではないでしょうか。
ヒロインのリヴィアは、若くハンサムな中尉と恋に落ちます。リヴィアが気がついた時には、気が狂いそうなくらい中尉を愛してしまっていました。この中尉が、鏡を見るのが好き、自分を見ている女の人を見るのも好きというナルシスト。そんな彼が、ずっと年上で人妻である彼女のことを愛してくれる。リヴィアは、その思いだけで舞い上がってしまいます。そして、小さなアパートを借りて逢引を重ねるようになります。
人妻、それも伯爵夫人であるリヴィアにとって、この恋愛は危険なものでもありました。まして、時代は戦争中。イタリアはオーストリアに支配され、地下組織が抵抗して戦っている状態です。しかも、その地下組織のボスは、リディアの従弟。と、禁断の部分が揃っていればいるほど、恋愛とは燃え上がるもののようです。
冒頭のオペラシーンは、さすがヴィスコンティ。絢爛たる幕開きです。衣装も豪華。戦争中でも、美しい身なりでオペラを楽しむ貴族たち。オーストリアの軍人たちも、貴族には慇懃に接します。どこか夢世界の中の夢物語。でも、決してそんなに甘い話ではありません。
愛の泥沼にはまっていくアリダ・ヴァリの演技が圧巻です。
トレーラーです。