- ポセイドン・アドベンチャー [Blu-ray]/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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THE POSEIDON ADVENTURE
1972年アメリカ映画 20世紀フォックス カラー 117分
監督 ロナルド・ニーム
出演 ジーン・ハックマン アーネスト・ボーグナイン レッド・バトンズ キャロル・リンレー ロディ・マクドウォール ステラ・スティーヴンス シェリー・ウィンタース レスリー・ニールセン パメラ・スー・マーティン ジャック・アルバートソン アーサー・オコンネル エリック・シェア
豪華客船ポセイドン号では、大晦日の盛大なパーティが行われていた。そこに、海底地震によって起きた大津波が襲い、船は転覆。惨事が起きる。船は、転覆のために、上下さかさまの状態になってしまう。生き延びた人々は、そのままパーティルームに留まる派と、上(つまりは船尾)に向かって脱出する派とに分かれる。脱出派を率いるのは、スコット牧師(ジーン・ハックマン)。彼についていくグループは、上を目指して歩み続けるが……。
1970年代は、パニック映画の年代と言ってもいいでしょう。その流れは、この映画から始まりました。そして、この作品は、『タワーリング・インフェルノ』と並ぶパニック映画の金字塔と言えると思います。
原作がポール・ギャリコというのも驚きです。船が転覆して天地逆転したというアイデアも、呆気にとられるくらい秀逸。かつての名優も含めたオールスターキャスト。人間ドラマもしっかり描かれています。そして、歌手が歌うテーマ曲「モーニング・アフター」。清く正しいパニック映画は、これらの要素を備えている、と私は信じています。それに比べて、今のパニック映画は、人間が描けていないのが淋しいとも思います。
主役のジーン・ハックマンは、牧師役です。本物の牧師なのです。ただし、かなり破天荒な牧師さん。上に行けば生き延びられると信じて、人々を率いて上に向かいます。危ないところに飛び込むのも、いつも自分が最初だし、リーダーシップは強烈。体育会系の牧師さんですね。
そのジーン・ハックマンに、事あるごとに文句を言っているのが、ロゴ警部補(アーネスト・ボーグナイン)。職業柄、彼がリーダーになるのが当然かと思いきや、牧師さんがしゃしゃり出てくるのですから、面白くないのも当然です。あの独特の顔と、口の悪さで、ボーグナイン節を思いっきり発揮しているのですが、妻のリンダ(ステラ・スティーブンス)にはぞっこん。元娼婦だった彼女を、仕事が出来ないように、何度も逮捕したとか。
他に、船員で怪我をしているエイカーズ(ロディ・マクドウォール)。何かとついていないことが多かったというマーティン(レッド・バトンズ)。歌手のノニー(キャロル・リンレー)。両親を訪ねていく姉弟(パメラ・スー・マーティン&エリック・シェア)。そして、パニック映画のお約束、往年の名優が演じるローゼン夫妻にジャック・アルバートソンとシェリー・ウィンタース。船長役には、レスリー・ニールセンが扮しています。パニック映画は、出ている人をつかんでおくことが重要なので、これぐらいのオールスターキャストがいいですね。知っている顔だと覚えやすい。
さかさまになった船内を登っていくのは命がけ。あちらこちらで、火が噴きだしています。梯子を登ったかと思えば、今度は潜水もしなければいけなくて大変。そのたびごとに、何かが起こり、そこには悲しみや感動も用意され、ドキドキ感を共に体験しながら、感動もするのです。
ジーン・ハックマンの破天荒な牧師さんは最高です。え?それを言うの?と思うことまで言ってしまう。彼にとって、『フレンチ・コネクション』のポパイと並ぶ代表作です。
リメイクされましたが、正直なところを言いますと、全く比べものになりませんでした。パニック映画といえば、この映画。設定もキャストも、何もかも素晴らしいです。
トレーラーです。