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DIPLOMATIE
2014年フランス・ドイツ映画 カラー 83分
監督 フォルカー・シュレンドルフ
出演 アンドレ・デュソリエ ニエル・アレストリュプ ブルクハルト・クラウスナー ロバート・スタッドローバー
1944年8月24日深夜から25日末。連合軍が間近に迫ったパリ。敗色濃厚で切羽詰まったヒトラーは、パリ防衛司令官のコルティッツ将軍に、ドイツ軍が撤退する前に、パリを破壊しつくすように命令する。命令を遂行しようとするコルティッツ将軍(ニエル・アレストリュプ )の元に、中立国スウェーデンの総領事ノルドリンクがやってきて、パリ破壊を思いとどまるように説得する。パリで生まれ、パリで育ったノルドリンク(アンドレ・デュソリエ)は、深くパリを愛していた。総統の命令を頑なに遂行しようとするコルティッツ将軍を、ノルドリンクは、少しずつ、少しずつ、緩和させようとする。
冒頭、ベートーベン交響曲第7番が流れます。指揮者は、フルトヴェングラー。ヒトラーが寵愛した指揮者です。背景には、破壊しつくされたワルシャワの光景が重なります。ヒトラーの望むことは、ヨーロッパの壊滅。しかし、今や敗戦濃厚になってきたナチスにとって、パリは軍事上の要所ではありません。それでも、ヒトラーはパリの破壊を命じます。ノートルダム、ルーブル、オペラ座などにも爆弾を仕掛けます。エッフェル塔、凱旋門にも。ヒトラーが望むことは、パリを徹底的に、再生不可能なくらい破壊しつくすことなのでした。
将軍とは言えども、ヒトラーの命令でパリ司令官になったコルティッツ将軍に、選択の余地などあろうはずもありません。一流ホテルの窓から、パリの美しい建造物の数々を見つめながらも、彼にはパリを破壊する使命があるのです。彼の一言で、爆弾のスイッチが入れられ、花の都は瓦礫と課す。人類の知恵を絞って建てられ、残されてきた数々の歴史的建物も灰になります。
そんなコルティッツの前にどこからともなく登場したのが、ノルドリンクです。彼は中立国スウェーデンの総領事なので、中立の立場から話が出来ます。しかも、パリ生まれでパリ育ちの彼は、パリへの愛が深い。そこで、ふたりの長い長いやり取りが始まるのです。
舞台劇の映画化です。ほぼふたりの会話で成立していく作品で、役者の力量が問われるところ。アンドレ・デュソリエと、ニエル・アレストリュプは、時に静かに、時に荒々しく、見事に演じ切っています。会話が主なので、地味といえば地味なのですが、内容がパリが壊滅するかどうか、ということなので、どきどきする展開です。もし、ふたりの会話が、もし少しでもかみ合わなかったら、果たしてどうなっていたのか。
アンドレ・デュソリエは、好きな俳優さんです。上品な総領事の役を見事に演じています。
長い時を経て、あれだけ敵対したフランスとドイツが、あの一日を合作で描いているところがいいですね。
名作『パリは燃えているか』と一緒に是非見て頂きたい作品です。
トレイラーです。
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『パリよ、永遠に』
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