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LA VITA E BELLA
1997年イタリア映画 カラー 117分
監督 ロベルト・ベニーニ
出演 ロベルト・ベニーニ ニコレッタ・ブラスキ ジョルジオ・カンタリーニ ジュスティーノ・デュラーノ セルジオ・ブストリック マリサ・パレデス ホルスト・ブッフホルツ
1939年、イタリアの小さな町アレッツォで、ユダヤ系イタリア人オレフィチ・グイド(ロベルト・ベニーニ)は、小学校の教師ドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)と突然の出会いをする。ドーラは町の役人と婚約していたが、その後も何度もグイドと偶然の出会いを繰り返し、遂にグイドと結婚する。そして、息子ジョズエも生まれる。しかし、ユダヤ人迫害により、グイドとジョズエ、ジオ叔父さんの3人は収容所に送られてしまう。ユダヤ人ではないドーラも、自ら夫たちのいる収容所へ送ってくれと、懇願する。収容所で、グイドは幼いジョズエを怯えさせまいと、収容所生活は戦車を得るまでのゲームだと嘘をつくことにする……。
前半と後半とで、くっきり分かれる映画です。前半は、グイドと姫(ドーラ)との不思議な出会いの繰り返しと、ふたりに芽生える愛の話です。グイドの持つ天真爛漫な明るさが、炸裂します。ドーラと結婚して、息子も生まれて、幸せいっぱいの一家に悲劇が訪れます。そこからが後半です。
前半での、華やかなドレスや、美しい花々に象徴される鮮やかな色の世界は、後半では見られません。ユダヤ人収容所で、収容者用の服を着せられ、昼間は働かされ、夜は寝るだけの小さなスペースに横たわり、少しの食料を貰い、収容者たちは、何とか生きながらえていくのです。そんな中で、グイドだけは生命欲が旺盛です。何故なら、幼い息子のジョズエを守らなければいけないから。ジョズエに、ここが収容所であることを、グイドは隠し通します。こんな格好をして、ここにいるが、これは全てゲームなのだと。同じ部屋で暮らすユダヤ人も、軍人たちも、皆ゲームの出演者なのだ、と。ジョズエは、グイドの言うことを信じ、昼間は部屋に隠れ、ゲームの勝者となって、戦車を得るために必死になります。
かと思えば、グイドは放送室に忍び込んで、女性用の収容所にいるドーラに「姫!」と呼びかけます。どこまでもコメディアンのようなグイド。まあ、実際にこんなことをしたら大変なことになるでしょうから、フィクションならではの面があることは確かですが、グイドの明るいキャラクターは、収容所生活の中では救いです。
ロベルト・ベニーニは、本作でアカデミー主演男優賞を貰いました。妻役のニコレッタ・ブラスキとは、私生活でも夫婦で、息の合った演技が楽しめます。ベニーニは、グイド役が素のままなのではないかと思われるくらい、自然なコメディアンぶりでした。
なぞなぞ好きの先生として、ホルスト・ブッフホルツが出てくるのは、『荒野の七人』のファンとしては、嬉しいところです!このホルストは、後半にも出てきて、重要な役割を担います。
この映画をひとことで言ってしまえば、家族愛なんでしょうね。夫婦の愛。親が子を思う無償の愛。子供の恐怖や悲しみは、全て自分ひとりで引き受けてしまおうというグイドの大きな愛。
それが一番象徴されているのが、軍人に追い立てられながらも、グイドがおどけた歩き方をするシーンだと思います。
ユダヤ人収容所を舞台にしていますが、声高く反戦を叫ぶわけでもない。大体グイド自身が、政治にも社会情勢にも興味がなさそうな人で、何で自分たちがこんなところに放り込まれたのか悩む様子もありません。グイドは、姫が目の前に現れた時に、すっと彼女を永遠に愛する人として受け入れたように、眼の前に現れたものを素直に受け入れられる人だったのかもしれません。
トレイラーです。
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『ライフ・イズ・ビューティフル』
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