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Channel: 銀幕と緑のピッチとインクの匂い
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『審判』

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LE PROCES
1963年フランス・イタリア・西ドイツ映画 白黒 119分
監督 オーソン・ウェルズ
出演 アンソニー・パーキンス ジャンヌ・モロー ロミー・シュナイダー オーソン・ウェルズ



 ジョセフ・K(アンソニー・パーキンス)は、グルバック夫人の下宿で暮らしていた。いつものような朝が始まる筈だったが、朝の6時14分に警察が訪れ、逮捕されてしまう。ジョセフは審問会に行くことになる。弁護士ハスラー(オーソン・ウェルズ)を紹介されるのだが……。



 カフカの作品を、映画界の天才オーソン・ウェルズが映画化したものです。はっきり言いますと、さっぱりわかりません。ストーリーも説明できません。カフカとオーソン・ウェルズが組んで、万人にわかるような作品になるわけがありません。

 下宿で暮らすごく普通のサラリーマン、ジョセフ・Kの元に突然警察が訪れるところから始まります。彼を逮捕にきたのです。全く心当たりのないジョセフ・Kは勿論、反論しますが、彼の主張は受け入れられません。

 この下宿でジョセフ・Kの隣に住んでいるのがバーストナー(ジャンヌ・モロー)。彼女は売れない踊り子です。ジョセフ・Kは、彼女に憧れています。ジャンヌ・モローの出番はこのシーンだけですが、匂い立つ色香が何とも言えない。この大女優の貫録と色っぽさが抜群に出ているシーンです。

 ジョセフ・Kは、ごく普通のサラリーマンで、法に触れることなどしていません。しかし、突然逮捕されてしまう。この物語のどうにもならない不条理さが示されます。事態に流されていく主人公を演じているのがアンソニー・パーキンス。彼の繊細さが、活かされている映画です。

 ロミー・シュナイダーは、弁護士オーソン・ウェルズの付き添いの看護師です。彼女は、男を惑わす女。淫らで、男性を刺激する女。アンソニー・パーキンスも、彼女の淫らさに負けて、情事に浸ります。このロミー・シュナイダーが凄い。こういう役を演じる彼女も珍しいですが、男性たちが彼女に惑わされるのも納得できるような、魔性の女なのです。

 
 ストーリーはあってないようなものですが、映像は素晴らしい作品です。特に私が感銘を受けたのが、アンソニー・パーキンスが少女たちに追われるシーンです。もう悪夢のようなシーンです。荒地のシーンも荒涼感を上手く出しているし、ドアを抜けると広がる裁判所も面白い。

 わかる方にはわかるのでしょうが、私にはストーリーはさっぱりわからない話でした。この映画は、映像を楽しむ作品なのでしょう。それから、「アダージョ」の曲。全編にわたって、効果的に使われていました。疲れている時は、見ない方がいい映画なのでしょうね。
  


トレイナーです。






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