晩秋 [VHS]/ジャック・レモン
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¥3,984
Amazon.co.jp
DAD
1989年アメリカ映画 カラー118分
監督 ゲイリー・デヴィッド・ゴールドバーグ
出演 ジャック・レモン テッド・ダンソン オリンピア・デュカキス キャシー・ベイカー イーサン・ホーク ケヴィン・スペイシー J・T・ウォルシュ
ジェイクとベティのトリモント夫妻は、老いてもふたりで元気に暮らしていた。しかし、ある日突然ベティが倒れ、妹のアニーから連絡を受けた息子のジョンは、実家に戻る。ジョンは、ニューヨークでエリートビジネスマンとして働いていたが、両親のことを心配し、しばらく実家に残ることにする。生活全てを妻に頼っていた父ジェイクと、ジョンとの生活はいささか心もとないものであった。母は無事に回復して帰宅出来たが、今度はジェイクの様子がおかしくなる。記憶力が薄れてきて、急激な老いが始まったように見えるのだ。心配になったジョンは、さらに実家にとどまり続けるが……。
テッド・ダンソン演じるジョンは、ニューヨークのエリートビジネスマン。いつもスーツをピシッと着て、弁舌巧みにビジネス界を駆けぬける男でした。その両親、ジェイクとベティは、ごく普通の暮らしを楽しむ老夫婦でした。しっかり者の妻オリンピア・デュカキスと、彼女に頼りっぱなしのジャック・レモン。しかし、ある日突然妻が入院してしまい、ジャック・レモンは途方にくれるのです。
ジャック・レモンも年を取りました。今回は、茶目っ気のある、優しい老人役。生活は妻に牛耳られています。しっかり者の息子と娘もいて、いささかひとりふわふわ浮いた感もある役です。しかし、ジャック・レモンらしさをしっかり出すシーンも用意されていて、思わずクスリとしてしまいます。
仕事に必死で、故郷の家族を顧みないエリートを描いた映画は、枚挙に暇がありません。この映画も、そんな一本でしょう。ただ、達者な演技陣によって、笑いも皮肉も忘れない、一筋縄ではいかない映画に仕上がっています。
話にはやがてジョンと不仲な息子も絡んできます。演じるのは、イーサン・ホーク。若かった、というより、まだ少年です。ジョンは離婚し、息子は元妻に引き取られているため、あまり交流のない親子でした。この親子も、また祖父の姿を見て、変わっていくのです。
とぼけたジャック・レモンもいいですが、かなりきつい妻役のオリンピア・デュカキスの演技が迫力があります。はっきり言って、毒舌家です。家族のことを愛しているけれど、どちらかと言えば支配的でさえあります。父に合わせてくれというジョンの願いを一旦は聞き入れるものの、最初に切れてしまうのも彼女です。ガンガン前に出てくるオリンピア・デュカキスと受けるジャック・レモンのベテランふたりの演技には眼を見張ります。
もう一人、目立たないようですが、ジョンの妹を演じるキャシー・ベイカーもいいです。彼女はとてもうまい女優さんです。少し引いたところにいながらも、ハラハラしながら見守る役です。彼女の夫役で、ケヴィン・スペイシーが出ています。今とあまり変わりません。彼は、義母からやたらいじられて、ちょっと気の毒でさえあります。
家族と一番距離を置いていたジョンが、エリートになって家族の誇りであったジョンが、仕事一筋であったジョンが、父親のために必死になり、身も心も捧げて介護するようになっていくさまは、ややオーバーな気もしますが、やはり感動を隠せません。
これだけの出演陣を揃えてというのに、大きく扱われない映画ではあります。でも、そうした中にも、佳作があることを是非知って頂きたいと思います。
トレイラーです。

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1989年アメリカ映画 カラー118分
監督 ゲイリー・デヴィッド・ゴールドバーグ
出演 ジャック・レモン テッド・ダンソン オリンピア・デュカキス キャシー・ベイカー イーサン・ホーク ケヴィン・スペイシー J・T・ウォルシュ
ジェイクとベティのトリモント夫妻は、老いてもふたりで元気に暮らしていた。しかし、ある日突然ベティが倒れ、妹のアニーから連絡を受けた息子のジョンは、実家に戻る。ジョンは、ニューヨークでエリートビジネスマンとして働いていたが、両親のことを心配し、しばらく実家に残ることにする。生活全てを妻に頼っていた父ジェイクと、ジョンとの生活はいささか心もとないものであった。母は無事に回復して帰宅出来たが、今度はジェイクの様子がおかしくなる。記憶力が薄れてきて、急激な老いが始まったように見えるのだ。心配になったジョンは、さらに実家にとどまり続けるが……。
テッド・ダンソン演じるジョンは、ニューヨークのエリートビジネスマン。いつもスーツをピシッと着て、弁舌巧みにビジネス界を駆けぬける男でした。その両親、ジェイクとベティは、ごく普通の暮らしを楽しむ老夫婦でした。しっかり者の妻オリンピア・デュカキスと、彼女に頼りっぱなしのジャック・レモン。しかし、ある日突然妻が入院してしまい、ジャック・レモンは途方にくれるのです。
ジャック・レモンも年を取りました。今回は、茶目っ気のある、優しい老人役。生活は妻に牛耳られています。しっかり者の息子と娘もいて、いささかひとりふわふわ浮いた感もある役です。しかし、ジャック・レモンらしさをしっかり出すシーンも用意されていて、思わずクスリとしてしまいます。
仕事に必死で、故郷の家族を顧みないエリートを描いた映画は、枚挙に暇がありません。この映画も、そんな一本でしょう。ただ、達者な演技陣によって、笑いも皮肉も忘れない、一筋縄ではいかない映画に仕上がっています。
話にはやがてジョンと不仲な息子も絡んできます。演じるのは、イーサン・ホーク。若かった、というより、まだ少年です。ジョンは離婚し、息子は元妻に引き取られているため、あまり交流のない親子でした。この親子も、また祖父の姿を見て、変わっていくのです。
とぼけたジャック・レモンもいいですが、かなりきつい妻役のオリンピア・デュカキスの演技が迫力があります。はっきり言って、毒舌家です。家族のことを愛しているけれど、どちらかと言えば支配的でさえあります。父に合わせてくれというジョンの願いを一旦は聞き入れるものの、最初に切れてしまうのも彼女です。ガンガン前に出てくるオリンピア・デュカキスと受けるジャック・レモンのベテランふたりの演技には眼を見張ります。
もう一人、目立たないようですが、ジョンの妹を演じるキャシー・ベイカーもいいです。彼女はとてもうまい女優さんです。少し引いたところにいながらも、ハラハラしながら見守る役です。彼女の夫役で、ケヴィン・スペイシーが出ています。今とあまり変わりません。彼は、義母からやたらいじられて、ちょっと気の毒でさえあります。
家族と一番距離を置いていたジョンが、エリートになって家族の誇りであったジョンが、仕事一筋であったジョンが、父親のために必死になり、身も心も捧げて介護するようになっていくさまは、ややオーバーな気もしますが、やはり感動を隠せません。
これだけの出演陣を揃えてというのに、大きく扱われない映画ではあります。でも、そうした中にも、佳作があることを是非知って頂きたいと思います。
トレイラーです。