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Channel: 銀幕と緑のピッチとインクの匂い
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『殺しのドレス』

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殺しのドレス スペシャル・エディション [DVD]/マイケル・ケイン,キース・ゴードン,アンジー・ディッキンソン

¥4,104
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DRESSED TO KILL
1980年アメリカ映画 カラー 105分
監督 ブライアン・デ・パルマ
出演 マイケル・ケイン アンジー・ディキンソン ナンシー・アレン キース・ゴードン デニス・フランツ

 
 人妻ケイト(アンジー・ディキンソン)は、精神分析医エリオット(マイケル・ケイン)の元に治療に通っていた。その帰り道に、美術館で知り合った男と、ケイトはベッドを共にする。しかし、その後に恐ろしい事件が起きる。その事件の目撃者となった娼婦のリズ(ナンシー・アレン)は、犯人に追われて、危ない目に遭う。発明が得意なケイトの息子ピーター(キース・ゴードン)と組んで、犯人を突き止めようとする。


 ブライアン・デ・パルマの代表作の一本と言ってもいいかと思います。ヒッチコックに刺激を受けたであろうと思われる作品です。

 いささか年を重ねても綺麗なアンジー・ディキンソンから、物語は始まります。この映画のヒロインはふたり。アンジー・ディキンソンとナンシー・アレンです。

 アンジー・ディキンソンは美しき人妻。機械オタクなティーンエージャーの息子がいます。精神分析の治療に通っていた彼女は、帰りに美術館に寄ります。この美術館のシーンは、この映画の見どころ、私としては一番の見どころのように思います。ほとんどセリフのない中、音楽とカット割りで、男と女の追いかけっこを見せます。

 
 熟女の代表のような貫録あるアンジー・ディキンソンの後に出てくるのが、ナンシー・アレン。娼婦役なのですが、あまりそのように見えない、などは置いておいて、特に美人とは言えない彼女なんですが、庶民派なところが、観客の共感を得るのでしょう。事件の目撃者となったばっかりに、次から次へと危険な目に遭います。単なる被害者ではなくて、自分から事件の謎ときに突っ込んで行きます。彼女のシーンでは、地下鉄の描写が抜群。

 ヒッチコックの系譜を引いた作品と思いますが、いささかお色気が過剰で、上品さに欠けるのは、時代ゆえのことでしょうか。

 ネタバレなしだとこれぐらいしか書けません。アンジーの息子役、キース・ゴードンがいい味を出していました。ハイティーンといった役柄。機械オタクですが、その力を存分に発揮して、探偵業に乗り出します。その理由というのが、泣けるのです。ナンシー姐さんと、このキース君とのやりとりが、ほのぼのとしていて、際どいストーリーの中で、唯一ホッとさせてくれます。


トレイラーです。





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